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どこにでもある日常。

メモ#0689:

「お母さん、どうして私に、『タマコ』なんて、変わった名前をつけたのかしら・・・。」

ひとりで済ませた夕食の後片付けをしながら、タマコは思った。
名前のせいではやし立てられたこともあったが、実は嫌いな名前ではない。
母親譲りの明るさで友人は多いし、部活の後輩からも、「タマちゃん先輩」と慕われている。

「わたし、じぶんのなまえ、きらーい。」と言って、
母を泣かせたのは、ちょうど、両親が離婚した頃だった。
それ以来タマコは、母を悲しませるようなことは言うまいと誓ったのだった。

ただ、もともと奔放ではあったが、最近、それに拍車をかけたような母の行動を見ると、
心から、娘である自分のことを考えてくれているのか、タマコには判らなくなる。

女手ひとつで自分を育てた、母の苦労を知らぬわけではない。
水商売の母を、恥に感じたこともない。
しかし、思春期にある今、
「ひょっとして、自分がへんな名前だからって、娘にも・・・。」
そんな考えがよぎる瞬間がある。

「いけないいけない。こんなことを考えちゃ。」

タマコはかぶりを振って、食器の後片付けを終えた。
母のための食事の支度も万端である。

ちょうどその時、母が帰ってきた。

元気に「お帰りなさい。」と言おうとしたタマコだったが、
母の声が先だった。陽気な声である。

「ただいまー。今日も送ってもらっちゃったわよー。
 あらー、晩御飯が出来てるのね、カツオさんも食べていかない?」

「おやおや、タマちゃんの手料理かい?これはお母さんの料理よりも美味しそうだね。」と、
遠慮無しに居間に入ってきたのは、母の店の常連である。

その時、タマコの心の中に言いようもない切なさが湧いた。

「ちょっとおじさん、気安くタマちゃんって呼ばないでください!」
自分でも驚くような声で、叫んでいた。

「タマコ、どうしたのよ。」狼狽する母。

「ごめんごめん、『タマコさん』って言うべきだったね。
 じゃ、トリコママ、僕はこれで・・・。」




と、いうような情景を、
今回は丼仕立てにしてみました。

カツ入り親子丼


「カツ入り親子丼」です。

私、「卵とじ系」に関しては、やや硬めにとじた方が好きなのですが、
これに関しては、「ドロドロ」が似合うようです。

続く。(いや、続きません。)
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